黒髪山幻想(2)  


13時過ぎ 私達が、遠方よりの来訪車両の誘導から
黒髪山少年自然の家へ戻ってきた時には、
オープニングアトラクションのバンブーオーケストラが演奏を終え、
楽器を会場より運び出し、トラックに積み込んでいた。

メイン会場では 既に代表の挨拶が始まっており
話題提供講演 『地域の自然と農業』
シンポジューム 『佐賀に吹く風』と続き、
各分科会に引き継がれる。

第1、第2分科会のテーマは 『センスオブワンダー』 《!発見》 《?発見》 である。 


 − 第一章 −  たそがれ時



小学校2年生から 大学生 社会人 リタイヤ組まで
参加メンバーの顔ぶれはさまざま
各々 黒髪山の印象を四文字熟語で表し 自己紹介

早々に研修室を出て野外に



  今朝方の降雪がうそのような
  雪溶けで 黒く濡れたアスファルトを
  みんなで下っていく




草花や木の葉など
道端には興味の種は尽きない

春の兆しが
いたるところで 私達の足を引き止める











  森への入り口は
  小さな小川を渡る所から始まる

  この小川は
  森の中の大きな溜め池と繋がる

  この森への入り口は
  少年の心に戻る為の 入り口




    落ち葉の積もる歩道は
         すぐに池の縁に出る






  池の縁に沿って
  照葉樹の森の中を歩く









池を回りこんで
雄岩、雌岩が
池の対岸に見える位置に来たとき
夕日が
雄岩と雌岩の間に沈みかける




ここより
               池を離れ 岩場を登る







黒髪山の象徴とも言える 雄岩 雌岩
薄曇の中 その岩間に
静かに沈んでいく夕陽


目を閉じる

静かな 
荘厳の世界に 

黒髪山の神秘が
各人の心に沁み入る


物音は

遠くの犬の吼える声 工事の音 




黒髪の 自然林と 人工林の
それぞれの木々が
山の静けさを守っている





  街中では味合えない



  静かな

       静かな


  自然の色彩の

        威厳に満ちた

              遷り変り






雄岩 雌岩に 色彩がなくなる






たそがれ時の

荘厳な

黒髪山







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