黒髪山幻想 (1)  


《センス オブ ワンダー》 レーチェル・カーソン著作の書名である。
このHPを訪れる方のなかにはご存知の方も少なくないと思う。
この日本語に訳し難い《センス オブ ワンダー》が、
3月5日、6日に『黒髪山少年自然の家』で行われた『九州環境教育ミーティング』の
第1、第2分科会のメインテーマである。
『2005 九州環境教育ミーティング in 佐賀・黒髪』と言うのが正式名称であるが、
縁あって、私も地元佐賀の実行委員として企画段階から参加させてもらい、
ここ黒髪の地で多くの発見と、感動と、出会いを経験させてもらった。



 −序章−  かわたれ時



3月5日土曜日 朝5時30分
携帯の目覚まし音に目を覚ます
私の携帯の音ではない
暗闇の中 2段ベッドをきしませて
外にも 人が起きる気配がする
実行委員としての最後の コースの下見である
身支度を整え外へ出る



  水銀灯の下
  うっすらと雪化粧した景色に
  思わず 心が弾む




メンバーが揃い
コースへの歩みを進める頃

朝になる前の闇に雪が降り注ぐ





牧場の向こうに
黒髪山の象徴 天童岩と 雄岩、雌岩が
ほんの微かな雪明りのなか

黒いシルエットとなって見える

霊山 黒髪山 ならではの
幻想的な風景



森の中の 池沿いのコースへ入る頃
空が白み始める






  日の出前の 間接光で見る
  雪化粧した森と木々

  湖面に映る空も
  明るさを増してきた

  モノトーンの世界にわずかに朱が射す








ハゲワシ砦と呼ばれる岩場



視界は絶景

雪化粧した
山の向こうにガスが昇る



以前 ここに来たとき
子供達が
この池の形が
ハゲワシに見えると言っていた



  薄っすらと 雪が積もった
             水辺沿いの道を歩く



  『彼は誰・・・?』
  かわたれ時 とは

  まさにこの時



ハゲワシの首の位置・・・?

水面に 月影を見つける
これも 早起きの ご褒美








薄雲に遮られ
朱鷺色の朝日の輝きはない

静かな
モノトーンの夜明け

黒髪山の風景は
荘厳な水墨画に仕上がる






水辺を離れ 岩場を登る

薄化粧した 岩と木々

黒髪山と清螺山の静かな光景

皆が 動きをとめる

静かな 静かな 時間
     黒髪山(天童岩)  雌岩   雄岩           前青螺        青螺山
       516m                                        610m







         岩場を下り

ハゲワシの首まで下って来た時

湖上の霧を暖める
        今朝初めての朝の陽光














  来る時に
  水上の月を見た 同じ場所で

  水上の朝日と出会う

  他のメンバーが気づかぬ偶然に

  一人 感動



          清々しい雪景色の風景を見ながら

                        朝食の待つ少年自然の家へと

                                      ゆっくりと歩みを進める








自然の家の周りの風景も

全て

朝の 雪化粧
















朝食を終えて外に出ると
誰が作ったのか かわいらしい雪だるまが一つ


さて これからが
『九州環境ミーティング』本番の始まり

今朝の散策は
自然の移ろいの中
春先の雪と言う自然の贈り物に恵まれた

本番では
黒髪山の自然は
参加者に
どんな表情を見せてくれるのか・・・



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