《佐賀県伊万里市東山城町 神社の門先に咲く樹齢900年の山桜》
ひときは大きな桜の樹がある
今から約 900年前の平安の世に 京都の公家が
山城の国から肥前の国に来て この地を開墾したとき
山城の地名と 明星櫻をこの地に伝えたと言う
明星櫻は花弁が小さく固まって咲くのが特徴で
夜 樹の下で焚火をすれば 花びらがキラキラと星のように輝き
神秘的なところから 明星櫻 と呼ばれているそうだ
今は四本の株立ちから成る老樹である
枝張り ：２５ｍ
高さ ：１５ｍ
900年も永く生き続けて来ているこの樹は
美しい姿だが 枝を支えている支柱がなんとなく痛々しい
角度を変えて見ると樹に重みが増してくる
樹の幹の質感がこの樹の生きて来た歳月を語っているのだろうか
真下から幾重も花びらを重ねて太陽を見ると
万華鏡の中を覗いているような不思議な感覚に
身体のバランスを失ってしまいそうである
