雪に立つぶなの大樹  ― 背振山唐人の舞い近くの急斜面にて ―




吹雪になりかけた縦走路から
私の好きなぶなの林が見えてきた
大きなぶなの木々の中で
その樹はひときは 際立った存在だった

●フルサイズ写真1 

隈笹の急斜面に足を踏み入れると
その樹の威容は息を呑むものがあった

雷鳴が轟く吹雪の中で遠巻きにカメラを構えて近づく
その樹の全容は
私のカメラのフレームには収めきれない



真下から見上げるその姿は
時間を超越した生命体
手塚治虫の《火の鳥》を連想させた

●フルサイズ写真2  

新緑の季節にはこの樹が一体どんな姿で
私を迎えてくれるのだろうか
たぶん優しい若葉で
すべてを包み込んでくれる事だろう

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