最後の稲刈
 ― 秋の日の風景 ―



 少年の頃、私の家では4ヵ所で田圃を作っていた。
その一つが、今私が住んでいるところで、今、一帯は団地となっていて昔の面影は何処にもない。
他も農環境が悪くなり、今年は、1枚の田圃でのみ、両親と兄とで米を作ったった。
本来ここも道路建設で今年から稲作ができなくなるはずだったが、 全体の工期が遅れていて、今年までなんとか米を作る事が出来た。
ここは、私の少年時代の風景がそのまま残っている唯一の田圃である。



この田圃の最後の稲穂の輝きを
カメラに収めそこなった事を後悔しながら
稲刈りの終った田圃に
カメラを持ってやって来た


この風景も田圃を縦断する道路が完成すれば一変してしまう



セイタカアワダチソウが埋め尽くしている土砂の向こうは
新しい道路が未完成のままそこまで来ている



乾燥機を使うようになってから
めったに目にする事がなくなった稲小積み

私が少年の頃は
すべての田圃に稲小積みが作られた

手間ひまはかかるが
天日で乾かしたお米は
お日様の暖かい味がする

あの頃 僕達は 遊び呆けていた
夕陽の中の稲小積みの影で

家々に炊飯の白い煙が昇り始めるまで
遠くで家々の明かりが灯るまで




稲小積みの田圃には
初冬までの短い間に春から秋までの四季がある


これから2ヶ月ぐらいかけて ここに
稲刈り後の田圃の四季を 皆さんにお見せしようと思います
稲刈り後の田圃の微妙な変化 楽しみにしていて下さい



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